specimen00 アーク中央政府からの依頼

 

アンダーソン「やあ、呼び出してしまってすまないね。」

 

指揮官「今日は一体何の用ですか?」

 

アンダーソン「君も知っての通り、アークの食糧事情はほぼ全てパーフェクトで賄われている。」

 

 

アンダーソン「しかしいくらパーフェクトが完全栄養食品とは言え、中には嗜好品としてたまには本物の食材を味わいたいという人達もいるのだ。」

 

指揮官「ロイヤルですか?」

 

アンダーソン「ああ、そうだ。そしてこれに対し中央政府は許可を下した。」

 

指揮官「それで私に何をしろと?」

 

アンダーソン「君には現在遂行している任務に支障が出ない範囲で、地上に現存する魚類を確保して来て欲しい。」

 

指揮官「魚類…魚ですか。」

 

アンダーソン「ああ、生きたままアークへ運ぶのは厳しい為、急速冷凍して検体としてアークへ送ってくれるといい。」

 

アンダーソン「また、同一種であってもクローンを作製する場合に遺伝子サンプルは多い方が望ましいので、出来る限り多くの検体を提出して貰いたい。」

 

アンダーソン「最終的には繁殖用の個体群と消費用の個体群に別け、消費用の個体群からは生殖能力を奪い成長速度を飛躍的に加速させ、アークの一般市民にも普及する様に養殖して行きたい。」

 

 

指揮官「分かりました。」

 

指揮官「しかし私には魚類を捕獲する知識や経験、そして技術が有りません。」

 

アンダーソン「それに関しては中央政府からマイティーツールズの工房へ連絡が行っている。」

 

アンダーソン「この後、訪ねてみるといい。」

 

アンダーソン「さて、私は次の会議があるので退席してくれるかな?」

 

指揮官「分かりました、ご期待に添えられるようにします。」

 

アンダーソン「ああ、期待しているよ。」

 

そして副指令官室を後にした…

 

specimen01へ続く